ヤンバルオオムカデ(仮称)について。

日本最大種にして、最美麗種といってもよいであろうオオムカデ。

さらに渓流を好み、遊泳することも知られています。


2021年4月ついに記載されました!!
Scolopendra alcyona


種の保存法に基づく,緊急指定種に指定されました!!


緊急指定種に指定されると、個体の捕獲・殺傷、譲渡し、輸出入、陳列などが原則禁止となります。 期間は公示の2日後である2021年7月1日より最長3年間。  

種の保存法の罰則は重く、下記となります。

 個人の場合:5年以下の懲役または500万円以下の罰金 

 法人の場合:1億円以下の罰金 

 ネットオークション等での出品、取引や貸し借りも違法となりますので十分注意してください。


この特異的なムカデは沖縄本島北部のヤンバルに棲息しています。

昆虫のみならず、甲殻類まで捕食してしまう姿には恐怖すら感じます。


日本と台湾で、現在までにScolopendra属は5種が記載されています。

Scolopendra morsitans (タイワンオオムカデ)

Scolopendra subspinipes (オオムカデ)

Scolopendra mutilans(トビズムカデ)

Scolopendra japonica(アオズムカデ)

Scolopendra multidens(アカズムカデ) 


Scolopendra alcyona (リュウジンオオムカデ)

沖縄本島ヤンバル産の亜成体。

淡い青色から、黄色、緑の混ざった色彩へと変化していきます。

こちらは渡嘉敷島で撮影した個体です。

幼体ではあまり差が出ませんが、成体は歩肢が黄色くなります。

触角節数18:18

歯板5+5(数え方に明瞭な定義がなく曖昧です)



終端突起3:3



曳航肢

腹面外側1:1

腹面内側1:1

背面内側2:2

節の末端3:2


第一跗節の蹴爪 第1-19歩肢


色は同定に関して参考になりませんが、

外見的な特徴も国産同属他種とはかなり差が出ています。

渡嘉敷産の成体はこちら。

恐ろしい体躯です。ヤンバル産より大型にならないものと考えておりましたが

この系統のムカデは超巨大化するようです。

こんな巨大な蟲が日本にいたとは…。

こちらは石垣島の個体。


未確認ですが阿嘉島にも棲息するという噂は耳にしたことがあります。

そして、台湾にもタイワングリーンドラゴンと呼ばれている本種が!

あまりの美しさにため息が出ます。



当店では、保護の観点から、ヤンバルオオムカデ関連の取り扱いは中止しております。
ご了承くださいませ。

※緊急指定種に指定されており、当店のみならず、販売、譲渡、輸出入など全てが規制されています。


基本的に飼育はお勧めできないのですが(2021年現在,新規の飼育は不可です)

最低でも冷温庫、できれば部屋全体でのエアコンでの温度管理をお願いします。

また、広い環境など、万全を期して臨むようにしてください。


通常の飼育設備ではとても短い期間しか飼育できず

十分な環境がご用意できない方にはお勧めできません。


消費的飼育にならないよう、情報収集等をお願いいたします。



以下、出典

A new amphibious species of the genus Scolopendra Linnaeus, 1758 (Scolopendromorpha, Scolopendridae) from the Ryukyu Archipelago and Taiwan

SHO TSUKAMOTO, SHIMPEI F. HIRUTA, KATSUYUKI EGUCHI, JHIH-RONG LIAO, SATOSHI SHIMANO


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