Terminal_Legs奇蟲写真2019ポートレート部門
総評
Terminal_Legs奇蟲写真2019ポートレート部門にご応募頂き、誠にありがとうございました。
状態よく飼育することや、現地まで足を運ぶなど手間のかかる写真も多く、
またコメントからも作者の奇蟲に対する熱意が伝わってきます。
甲乙つけ難い作品も多かったのですが、コンテストですのでそれぞれの作品を尊重しながらも最後は順位を決定させて頂きました。
それでは、今回の結果を発表いたします。
金賞
蒼き子龍 2019年5月19日 沖縄県やんばる オオムカデの一種 Scolopendra sp.
通称ヤンバルオオムカデと呼ばれる、沖縄島北部に生息するオオムカデ属の一種の幼体。沢付近に生息し、泳ぎが上手いなどの変わった生態が知られている。
やんばるで見つけた幼体を撮影。小さい体ながらも、その顔はまさしく龍で、透き通った青色の脚はとても美しい。
Terminal Legs コメント
第一印象から惹きこまれました。ヤンバルオオムカデの美しさ、迫力、息遣いが伝わってくる素晴らしい作品です。
私も何度かヤンバルオオムカデの幼体を撮影していますが、彼らは足を中々止めないため撮影は根気がいるものです。
手前の石の前ボケがムカデをひっそりとのぞき込んでいるように思わせてくれます。
ムカデの魅力である頭部と曳航肢両方が収められているのもポイントが高いです。
銀賞
Burning 2019年10月26日 東京都(飼育) ムネアカオオゴキブリ Panesthia angustipennis cognata
本州に生息するオオゴキブリP. angustipennis spadicaの亜種。幼虫時に胸部に現れる赤い模様が特徴。
ゆらゆらと炎が燃えているような模様が入った胸の赤い部分にピントを合わせて撮影しました。ゴキブリらしからぬ美しい造形が魅力的です。
Terminal Legs コメント
頂いているコメントの通り、胸部の炎のような模様が目に飛び込んできました。
鋭い棘も背景の白が引き立たせています。
ゴキブリの美しさを再認識するよい契機となりました。
銅賞
成長する死 2019年10月30日 東京都 和名 メダマカレハカマキリ 学名 Deroplatys desiccata
枯れ葉に擬態しており見た目だけでなくカラダを左右に揺らし風で揺れている様も再現する。また威嚇時、前翅の裏側にある目玉模様がこちらを睨みつける
まだ枯れ葉というより枯れ枝。脱皮を経るごとに、完成形に近づいていく。今はその途中・・・
Terminal Legs コメント
写真もさることながらタイトルが非常に興味深いです。
「枯葉=死」と「成長=生」が1枚に表現されており、これは奇蟲のみならず生物写真として普遍のテーマであると思います。
この虫に対する新しい切り口を頂きました。
銅賞
自然の造形美 2018年04月22日 茨城県 アキヤマアカザトウムシ (Idzubius akiyamae (Hirst, 1911))
石や倒木の下でじっとしていることが多いが、夜間徘徊する様子もしばしばみられる。本種を含め、カマアカザトウムシ科は紫外線に対して蛍光を示す。
可視光カット紫外光透過フィルターにより紫色を軽減し、本種の蛍光を引き立てた。
Terminal Legs コメント
ザトウムシは奇妙な容姿ですが、さらに蛍光というこれまでにないインパクトがありました。ザトウムシ自体はよく知られた虫ですが、このように蛍光するものがいるとは驚かされました。よく知っていると思っている奇蟲でも、詳しい方が撮影されるとまるで別物になりますね。
佳作
「眼光炯々」 2019.7/26. 沖縄県 久米島 ヤシガニ Birgus latro
佳作
佳作
ルビーのようなG 2019.3.13 徳之島 キチャバネゴキブリSymploce japonica
素晴らしい作品の数々をありがとうございました。
ここでは紹介しきれない作品も多数ございましたので、良ければTwitterでご確認下さい。
金賞は1万円又は1万5,000円の商品券をプレゼント。
次回は行動写真部門の募集を致します。
今後とも素晴らしい作品をお待ちしております。
0コメント