ムカデの雌雄判別(国内CB化へ)
Terminal Legsでは全国に先駆けてムカデのペア販売を開始しました。
まずはScolopendra subspinipes piceoflava スラウェシブラック生殖器をご覧下さい。
2つの突起が見られる個体がオス
突起が見られない個体がメスです。
約1週間絶食させたムカデを水で溺れさせる方法を用いています。
動きが鈍くなった後、末端の節やその周辺に圧をかけると出現します。
非常に小さな突起のためルーペや、マクロ撮影が可能なカメラが必要になります。
こちらは別個体です。
このように目立たない個体もあり、
私の視力ではTG-5(マクロでの拡大撮影に特化したカメラ)が手放せません。
水に付け溺れたように見えても、曳航肢で刺す、保定を外し咬む事もありますから
ムカデの扱いに慣れていない方はご自身での雌雄判別はお控えください。
そして当然、ムカデがそのまま溺死する可能性も十分にあります。
行う際は自己責任でお願い致します。
※この方法はアジア産のScolopendra属に適用出来る方法です。ただしS. multidens(アカズムカデ)、S. hainanum (チャイニーズタイガーレッグ/コイチョウ)はオスに生殖器の突起がないため適用出来ません。
同様に南米産など新大陸のScolopendra属に関してもオスの突起がないため、この方法では見分けられません。
別途記事を作成致します。
これまでムカデの雌雄判別は指圧で行なってきたのですが、
— ムカデ専門店 Terminal Legs (@Terminal_Legs) August 16, 2020
マジックペンなど細く均一な径の棒で
数個前の節から転がすようにすると
意図も簡単に生殖器が飛び出ることに気が付きました。
安全度も高く、曳航肢で刺されて怪我をする心配も低いので、一度お試しください。 pic.twitter.com/N7TxytgnzX
このような方法で生殖器を出すのが効率がよいです。
日本で出回っているムカデは多くを野外採集に頼っており、
タランチュラの様に繁殖個体が出回ることが少ない奇蟲です。
私の様な販売者が申し上げるのは憚られますが、
現地の虫の集積所などに足を運ぶと、野生からの採集量は想像を超えるものがございます。
それでも取りつくせない程に深い森が広がっていますが、
継続的にこの趣味を続けて行くため、負荷を軽減したいというのが私の願いです。
また輸出入の法規制や、棲息地の環境破壊、自然災害によるルートの消滅…。
開店準備期間を含めてたった2年間(2019年現在)ですが、様々な事が起こりました。
国内で繁殖個体が出回るメリットは計り知れず、
また繁殖は趣味としての面白さを一層引き立ててくれるものです。
私自身も、ムカデの国内CB化に向けて、
そしてこの趣味をより深く楽しめる様に、繁殖に挑戦して参ります。
遊泳が可能なムカデ、小型種ではこの方法を適用する事が難しく、溶接用革手袋を用いた直接圧迫しか方法がありません。
二酸化炭素での麻酔のノウハウがある方、
さらに良い方法をご存知の方がいらっしゃいましたら教えて頂けると幸いです。
Terminal Legsでは随時、雌雄判別個体やペア販売を行います。
リクエストがございましたら、可能な限りお応えしていく所存です。
書籍の方でも雌雄判別の記事を掲載しております。
オンラインでも必要な情報は掲載していきますが
Terminal Legsに投資して頂ける方は是非ともお願い致します。
0コメント